肝硬変かどうかは血液検査の数値だけじゃ分からない

肝臓が硬くなるのが肝硬変なのだから、右の腹をさわると肝臓が硬くなっているのがわかるかというと、実際には肝臓はふれにくいもので、そうかんたんにはわかりません。

手の平が赤くなると肝硬変だと思い込んでいる人も多いようですが、手の平が赤くても肝臓はまったく正常の人がいくらでもいます。

俗に酒焼けといって顔や頚などが赤くなり、細い血管が浮き出ている人もいますが、だから肝臓が悪いとはかぎりません。

黄疸が出るのは肝硬変でも肝臓の働きのバランスをくずしたときですし、急性肝炎でも黄疸が出ることがあります。

腹水も肝硬変がなくても、お酒をしこたま飲んだ翌日に一時的にたまることがあります。

男の人のオッパイがふくらむ女性乳房も、肝硬変でなくても、ある薬のために出ることもあります。

このように、肝硬変のときに出る症状は肝硬変でない場合にも出るので、こういう症状が出たから肝硬変だとは必ずしもいえません。

では、からだがだるいかというと、肝硬変でも肝臓の働きのバランスがよければ何の症状もありません。

肝臓はその10の1が生き残っていれば正常に活動していけるので、一見何の症状もないわけです。

そこで肝硬変かどうかを見分けるためには血液検査をします。
それで大部分の人はすぐにわかります。

しかし、ふつう一般の肝機能検査ではまったく正常という肝硬変も中にはあって、そのときはICGという青い色素を入れて検査をしてはじめてわかります。

ところが、それでも正常という人がいて、その場合は超音波検査やCT肝臓のかたちをみる、すなわち画像診断を行なえば診断ができます。

最近は腹腔鏡や肝生検などの検査までしなくても、苦痛を与えずに診断ができるようになりました。

検査をすれば診断は確定します。

このように肝硬変は症状からではなかなかわからず、検査を行なうことによってはじめてわかるものです。

ですから、誰かに聞いてこういう症状があったからといってあわてる必要はなく、きちんと専門医の診察を受けるようにしてください。

プロフィール


サイト管理人:藤田 正
某病院につとめる中年男性。
みんなで楽しくお酒をのむことが大好きです。

お酒にまつわるちょっと怖い話や、
安全なお酒の飲みかたを紹介させていただきますので、
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