アルコール依存症やめたい!治る確率は?

いったん酒のとりこになった人をもとの状態にもどすことは、ひじょうに困難です。

本人に、アルコール依存症であるといった自覚をさぜることが治療の第一歩になりますが、これがほんとうにむずかしいのです。

サラリーマンの場合、いちばん効果的なのは上司の注意でしょう。

欠勤が多く、作業能率が落ちるなど使えない部下を、上司はクールに観察しているものです。

ただ、ここにも問題があります。

アルコール依存症に陥るサラリーマンには、ひじょうに有能な、いわゆるできる社員が多いということです。

人一倍仕事をして、それなりの評価を得ているために、酒で体調をくずして病院へ足を運んだとしても、けっして依存症であるとは認めません。

専門家が見れば、明らかに依存症の初期症状を呈しており、これ以上飲酒がつづくと危険だという状態でもです。

中には、すでに休日などの連続飲酒が始まっており、入院治療が急務とされる人もいます。

それでも、「すこしばかり酒を飲みすぎているとしても、ちゃんと仕事はしている。休みに飲石のは自分の勝手」。

こう反論されれば、まさしくそのとおりですから、治療を受けさぜる手立て、がないのです。

ありきたりの説得や脅しでは酒を止めませんが、「もう何を言ってもダメだ」とあきらめず、まず、周囲の人、家族、同僚、上司にアルコール依存症がどんなものか知ってもらうことです。

そして、周りの人たちが話し合い、一貫した対応を取ることが必要です。

本人にこのまま飲み続ければ職を失い、生き延びられないことを認めさせます。

酒をやめられないのは、性格やモラルの問題であると非難しないでください。

アルコール依存症は病気です。

本人の意思次第ではほぼ100%の確率で治ります。

治療すればかならず回復しますから、ぜひ、アルコールの専門家に相談してください。

アルコール依存症がかなり進めば、一回や二回の治療で完治を望むのは無理です。

たいていは再飲酒をくり返し、専門病院を渡り歩くことになります。

病院を出てはまたもとにもどって、ほかの病院で治療を受ける。依存症者が、回転ドア式人間といわれるゆえんです。

いったんドアの中にはいってしまうと、グルグルと回転するだけでなかなか外に出られません。

アルコール依存症を八年間追跡しかある調査では、断酒したものは三分の一にすぎず、三分の一は死亡して、三分の一は相変わらず飲んでいました。

このように、けっして予後は良くありません。

こういった悲劇を招かないために、早期発見・早期治療が望まれるのはいうまでもありません。

全社員のアルコール調査データをとっている企業もあります。

有能な社員を失うことは、会社にとってもマイナスです。

プロフィール


サイト管理人:藤田 正
某病院につとめる中年男性。
みんなで楽しくお酒をのむことが大好きです。

お酒にまつわるちょっと怖い話や、
安全なお酒の飲みかたを紹介させていただきますので、
ビールを片手に楽しく読んでいただけたらと思います。