肝硬変になるまでの期間とその原因とは?

さまざまな肝臓障害のたどり着くところは、肝硬変という病気です。

アルコール性肝臓障害にとってもいわば終着駅を意味し、アルコール性肝臓障害に陥った人の二割がこの終着駅までたどり着きます。

肝硬変になるには二つのルートが考えられます。

一つは、アルコール性肝炎をくり返すコース。

もう一つは、慢性肝炎に似た組織所見や線組増生といわれる状態を通っていくコースです。

線維は、肝細胞のあいだにあって細胞間を支えるセメントみたいな役割をしています。

アルコールの直接間接作用によって肝細胞が破壊(壊死)されると、その部は線維で置き変わっていきます。アルコールはこの線維を増やします。

この状況が進めば肝細胞の実質は目減りして、ついにはセメントだらけとなり、肝臓全体が硬くなってしまいます。

この状態が肝硬変というわけです。

やや専門的になりますが、このような肝硬変へ進展していく仕組みには、リソパ球の数の低下や機能異常が関係していると考えられます。

リンパ球というのは、免疫にかかおる白血球で、体外から侵入するウイルスを攻撃、排除するたいせつな働きをしているのです。

本来、リンパ球には、体の成分でない敵を識別する機能が備わっているのですが、たえずアルコールがはいってくると、その機能がおかされ、味方を攻撃してしまいます。

肝臓障害の場合でいえば、識別機能がおかされたリンパ球は、自分の肝細胞 (味方)を攻撃してしまうわけです。

困ったことに、リンパ球は一度記憶すると、それが誤った記憶でも一生あらためることができません。

したがって、少量のアルコールで肝臓障害はどんどん悪化していきます。

リンパ球の酔いをさまし、正気にもどすには、酒と縁を切るしか方法はないのです。

私は、アルコールの害に関する個人差について質問されたとき、「一生で飲める酒の量は、その人その人で決まっており、それを飲みはしたら飲めなくなる」と答えることにしています。

酒を飲みはしたときというのは、リンパ球の機能異常が起こり、肝細胞を攻撃しはじめたときです。

その人の一生分の酒の量がどのくらいかは、神のみぞ知るで、答えることはできませんが、毎日アルコールニ単位以内を、二〇年ぐらいで飲みほす量なら健康を害することなく、一生を終えられるといえましょう。

プロフィール


サイト管理人:藤田 正
某病院につとめる中年男性。
みんなで楽しくお酒をのむことが大好きです。

お酒にまつわるちょっと怖い話や、
安全なお酒の飲みかたを紹介させていただきますので、
ビールを片手に楽しく読んでいただけたらと思います。