酒飲みは肝臓の検査数値が高い理由とは

アルコールも分解産物のアセトアルデヒドも肝機能の障害になる酒飲みになぜ肝臓病が多いのかというのは、アルコールがどうして肝臓に悪いのか、ということになります。

その理由の第一は、アルコールを分解、解毒するのはもっぱら肝臓で、肺とか腎臓とか他の臓器はほとんど助けてくれません。

アルコールの九〇パーセント以上は肝臓で分解されます。

そうなると、肝臓が一番働かされるわけです。

しかも肝臓は、アルコールを分解する仕事を第一にします。

第二というのは、他の仕事をさしおいてもアルコールを分解することに専念してしまうということです。

そのうえ肝臓は、アルコールがゼロになるまで、とことん分解するまで働きつづけるのです。

私たちは何か仕事を与えられても、サボることもありますが、肝臓は不思議なものでまったくサボるということを知りません。

アルコールを一合飲んだら一合を分解するまで、一升飲んだら一升を分解するまで働きつづけます

そのためアルコールは肝臓の中で大名行列に例えられます。

下に下にという具合に、他の仕事を全部さしおいて、アルコールを分解する仕事が大通りをいばって歩いていくということになるのです。

というわけで、飲んだ分だけ肝臓は働かされます。だから多く飲めば飲むほど、肝臓はそれだけ疲れるということになります。

では、それだけ働いてアルコールを分解したら何かいいことがあるのかといいますと、実は何もないのです。

アルコールを分解するとカロリーができますが、それは栄養にはなりません。

このカロリーは体をあたためたりするのに使われますが、蓄積されません。

宵越しの銭は持たないというのと同じように、全部パーツと使ってしまって、それでおしまい。しかも栄養がありません。

ご飯や肉を食べればカロリーにもなりますし、何かしら栄養素があります。

ところが、アルコールにはありません。

あるのはただ体をあたためるカロリーだけなのです。

ですから、アルコールのカロリーをエンプティカロリー(空っぽのカロリー)と呼んでいるのです。

肝臓にしてみれば、一生懸命働いたのですから、何か報酬というか見返りがあってもいいわけなのですが、それがない。

ただ働きだということになります。

さらに見返りがないだけではなく、アルコールそのもの、およびアルコールを分解してできたアセトアルデヒドは肝機能の障害になります。

それらは肝臓に悪い、はっきりいって害なのです。働きづくめに働いて、得られたものが害だったというわけです。

アルコールは消毒に使います。七〇%アルコールは細菌を殺してしまいます。

私たちの飲むお酒は七〇パーセントよりははるかにうすいのですが、生きている細菌を殺すアルコールですから、生きている肝臓によいわけはないということになります。

二番目の理由は低栄養です。酒飲みの人は酒ばかり飲んで、あまり肉や魚などのつまみをとりません。

そうなると、栄養失調になってしまいます。

栄養失調だけでも肝臓にはよくありません。

お酒は全然飲まなくても、栄養失調だけでも肝臓は悪くなるのです。

ですから、お酒を飲んでものを食べない人は、お酒を飲んでものを食べる人よりもよけい肝臓が悪くなるということは、統計的にもはっきりしています。

三番目には、お酒を飲む人は体の抵抗力が落ちます。たとえばビタミンも不足しますし、免疫能力も落ちて、病気に対する抵抗力が弱くなります。

そのため、そこにウイルスが入ったり、他のいろんな病原菌が入ったりすると、それを十分防ぎきれず、肝臓を悪くするようなものが入ってくると、よけい肝機能の障害になるということになります。

こういうわけで、お酒はほどほどに、ということになります。

プロフィール


サイト管理人:藤田 正
某病院につとめる中年男性。
みんなで楽しくお酒をのむことが大好きです。

お酒にまつわるちょっと怖い話や、
安全なお酒の飲みかたを紹介させていただきますので、
ビールを片手に楽しく読んでいただけたらと思います。