禁酒の禁断症状~ピークに手がふるえるなら末期

お酒を長く飲んでいる人に手のふるえが見られる場合は、次の二つが考えられます。

① 振せんせんもう

② 肝性昏睡のはじめ

振せんせんもうとはむずかしい言葉ですが、二言でいえばいわゆるアル中、アルコール依存症です。

これは飲んでいる最中というよりは、お酒をやめて1日2日たって起こるもので、手がふるえ、壁に虫がはっているように見える幻視という状態を伴います。

これはアルコールを中断して起こる症状です。

中断して起こる症状を以前は禁断症状といっていましたが、現在では離脱症状といいます。

離脱症状にはその他に、てんかんのようなけいれん発作とか、実際は何もないのに音が聞こえるとか、被害妄想が起こることがあります。

次に、肝性昏睡のはじめというのは、肝硬変などがあって脳の働きが一時的に異常になると起こります。

はじめは、なんとなく気分がおかしい、無口な人なのにいやによくしゃべる、夜間起きて昼聞になるとダーグー眠る、夜と昼をとりちがえるなどの異常があります。

そのうち行動がおかしくなり、部屋の外へ出ようとするのに押し入れを一生懸命開けたり閉めたりする。

便所と玄関をまちがえて玄関で小便をする、などの行動をとるようになります。

そうなる少し前に手がふるえてきます。

これは、とくに腕を前に出し、手首を直角に上に曲げたときに起こりやすく、そのふるえ方は手首から手先全体が羽ばたくようになります。

ちょうど烏が羽ばたくような形から、羽ばたき振せんと呼ばれています。

このようなときは肝性昏睡のはじまりですから、いまのうちにしっかり治療することです。

さもないと、だんだん進行し、そのうち眠ったきりとなり、つねっても反応せず、完全な昏睡に陥ってしまいます。

治療としては、まず便秘を治すことです。すぐに淀腸をし、下剤を飲んで腸の中をきれいにします。

それだけでもかなりよくなります。

便秘をし、大腸に便がたまると、アンモニアなどの有害物質が発生し、肝臓がもともと悪いために解毒できず、脳の症状が起こるのです。

食事の量が多く、しかも肉などのタンパク質が増えているとアンモニアが発生しやすいので、肝臓が悪く、ときどき手がふるえるような人は食事中のタンパク質を減らすことです。

普通、肝臓の悪いときはタンパク質を多くするのですが、こういうときには減らします。

今日は七五三のお祝いだからといって、ごちそうを食べすぎ、とたんに肝性昏睡になって入院してきた方もありました。

手のふるえも、バセドウ病の場合は細かいふるえですし、パーキンソン症候群のときは銭を勘定するような、お札をめくるような仕草になります。

同じふるえにも、いろいろあるわけです。

肝性昏睡になりかかったことのある人は毎朝手を前に出し、ふるえるかどうかを見るようにして下さい。

ふるえなければよし、ふるえれば今日はごちそうを食べない、通じをつけるということです。

プロフィール


サイト管理人:藤田 正
某病院につとめる中年男性。
みんなで楽しくお酒をのむことが大好きです。

お酒にまつわるちょっと怖い話や、
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