酒を飲むと吐くし下痢が続く…

吐くのは胃の粘膜が、下痢は腸の粘膜がやられているためです。

深酒をすると翌朝吐くというのには原因が二つあります。

一つは胃の粘膜がやられること、もう一つは胃の運動が止まってしまうことです。

第一の粘膜がやられることは、アルコールが消毒に用いられることを考えると理解できるでしょう。

消毒用アルコールは70%の濃いアルコール液ですが、これが細菌などにつくと、アルコールの脱水作用によって細菌の中から水分を奪ってしまいます。

そのため細菌はひからび、乾物のように、またはスルメのようになって死んでしまうわけです。

これが消毒の原理ですが、これはどの濃いアルコールでなくても、飲んだアルコールが胃の粘膜にふれると、やはり大なり小なり胃の細胞に作用し、水分を奪おうとします。

そうはさせじと表面の粘膜が抵抗するので、普通は大事に至らないのですが、深酒をすると胃の粘膜はかなりやられ、ところどころ発赤したり、出血したりもするようになります。

このため胃の痛み、もたれ、吐き気が起こり、翌日吐くことにもなります。

アルコールの分解産物であるアセトアルデヒドが残っていると、これも吐き気を起こす原因となります。

アルコールは胃の運動をおさえ、食物が胃から十二指腸に入っていくのをさまたげます。

そのため胃の中には、食べたもの飲んだものが山のようにたまって気分が悪くなるのです。

深酒をして、いい気になって食べすぎ、家に帰っても苦しくて寝つかれず、ムカムカし、ものがたくさんつまっているようで、どうしようもない気持になることがあります。

こういうときは、どんどん吐いてしまったほうがよいのです。

出るだけ出してしまうと、サッパリし、安らかに眠ることができます。

ただし、吐くときは力を入れず、無理をせず吐くことです。

指をのどの奥に入れ、嘔吐反射を起こさせ、出させると苦しまずに吐くことができます。

なぜ、このように吐き方をくわしく述べるかといいますと、無理に苦しんで吐くと、胃の粘膜が破れていきなり出血することがあるからです。

さて、吐いたものをじっと見ると驚かされることがあります。

まず第一に、出るわ出るわ、これだけ吐いたらもういいだろうと思うと、あとからあとがら滝のように出ます。

洗面器一杯以上はゆうに吐くことがあります。

胃が動かず、たまりにたまったということがおわかりいただけると思います。

数時間前に食べたものが、そっくり、まだ胃の中に残っていたということになるのです。

次に下痢のことですが、胃の粘膜が荒れるのと同じように腸の粘膜も荒れて、吸収が悪くなり下痢となります。

一般に、毎日お酒を飲んでいる人は、毎日下痢をしているものです。

「下痢がっづいているのですが……」といって訪れる患者さんに「お酒を飲んでいませんか」と聞きますと、「毎日飲んでいます」と答えます。

ためしに一週間お酒をやめてもらいますと、下痢はピタリと止まります。

薬はいりません。

プロフィール


サイト管理人:藤田 正
某病院につとめる中年男性。
みんなで楽しくお酒をのむことが大好きです。

お酒にまつわるちょっと怖い話や、
安全なお酒の飲みかたを紹介させていただきますので、
ビールを片手に楽しく読んでいただけたらと思います。