休肝日の取り方

脂肪肝になってもお酒をやめさえすれば1週間で元にもどります。
そのように肝臓は復元力が大きいのです。

ただし、お酒を飲みつづけているとそうはいきません。
アルコールは肝細胞の再生をおさえるということが最近わかってきました。

毎日5合以上飲かのは論外としても、安全量の2合でも毎日休みなくというのは問題があります。
正常の肝臓はいちおうはそれを処理しているでしょうが、毎日となると肝臓は休めません。

胃だって頭だって、少しは休む時間があります。

心臓は休みませんが、これはふだんは自分の力の六分の一を働かせているだけですから、いつも余裕があります。

肝臓は余裕を持ってアルコールを解毒しています。
ですから、少ないほうがそれだけ負担が少ないことになります。

毎日毎日アルコールが入ってきては、肝臓もやれやれと思うでしょう。

たまには”休肝日”をつくって休ませてあげてください。
英気を善うようにしてあげるのです。

ちょうどたまには空気のいいところに行って肺をきれいにしてあげるように。

”肝臓は俺の肝臓だ、おれの好きなようにする”という気持ちもわかりますが、自分の臓器に、そして細胞にもっと愛情を持つということも必要ではないでしょうか。

”よく働いてくれる。たまには休みをあげよう。そうだ、いまぱ週休2日制だ、お前にも週休2日を与えよう。
その代わり、おれがお酒を飲んだときはしっかり頼んだぞ”というわけなのです。

細胞に愛情を持ってと述べましたが、私はむしろ自分の細胞に尊敬の念を持ってといいたいくらいなのです。
いやなことがあって自殺しようとしたとき、自分の心臓の音を聞いてみてください。

心臓は黙々として生きる意欲を持っています。
また、たとえ自分は病気で死んでも細胞はしばらく生きています。

ある人がガンで死にましたが、そのガン細胞をガラス器に入れて培養したところ生きつづけ、本人は死んで10年以上もたつのにその細胞だけはまだ生きつづけているということがあります。

ヒーラー細胞もその一つです。
そのように細胞の生命力は強いのです。

肝細胞もアルコールでいためつけられても、休ませてやれば元にもどるのです。

最大の治療法は酒をやめること

お酒のために肝臓が悪くなったとします。
そのとき、どういう治療法をしたらよいでしょうか。
肝臓の薬を飲むことでしょうか。
入院することでしょうか。

いえ、この場合の最大の治療法はお酒をやめることです。
何だそんなかんたんなことか、と思われるかも知れませんがこれには大きな意味があります。

アルコール性肝障害は原因がはっきりわかっています。
アルコールの飲みすぎです。

アルコールが原因ですから、アルコールをやめればこの肝臓病の原因治療となります。
原因もなくなるし、その原因から引き起こされるさまざまな悪循環も断ち切ることができます。

こんなよい治療法はありません。
こんなに原因がはっきりしていて、障害がわかり、そして治療法がわかっている病気はそうざらにはありません。

しかし全くお酒をやめることができないなら、また悪くするようではつまらないので、肝臓をいたわる飲み方をしてください。

それには、

①1日2合以下
②週休2日
③飲んだら食べる

という3原則を守ることです。
もちろん、きっぱりゼロというのがもっともよい方法であり、理想です。

しかし、いろいろな事情でゼロにするわけにはいかない人は、この三原則を守ればいいし、二合以下でもかぎりなくゼロに近いほうであればなおいいということになります。

ところで、一日5合以上飲み、毎日飲まないでぱいられないアルコール依存症で、しかも肝硬変があるという人は絶対にゼロにすべきです。

一日五合以上、10年以上飲み、しかも肝硬変と診断されてもなお飲みつづけた人の平均生存期間は2年です。

これは私たちの病院でとった統計です。

そこでお酒をやめた人はやめなかった人に比べて2倍以上長生さして、平均生存期間は4.3年でした。

しかも、中には10年、20年と長生さした人がたくさんいました。
このことからも、肝臓病には禁酒がよいことだということがわかるでしょう。

肝臓を守る飲酒三原則

アルコールは肝臓の敵でしょうか。
お酒は人間にとって悪魔でしょうか。
いえ、ちがいます。

アルコールは人間が手綱をとるべきペットです。
ペットの中でも、虎といったらよいでしょう。

油断をすればおそわれます。
ときには命をおとすこともあります。

しかし、飼いならしておげばこんなにかわいく、しかもスリルのあるペットはないでしょう。

お酒はいけないという人もいます。
お酒なしで生きていけないというものでもなく、お酒を飲まない人はそれはそれで結構です。

しかし、お酒とは縁を切りたくない、うまくつき合ってしきたいという人のために書いています。

どこか女性とのつき合いに似たところがないともいえません。

お酒の飲みすぎは肝臓のためによいことをしていない、といってきましたが、だからやめろとは乱暴ないい方です。

私たちはからだにいいことだけを毎日しているわげではありません。

仕事のためにはやむを得ず徹夜をし、眠れないときには睡眠薬を飲みます。

徹夜をすれば当然からだは疲れるし、睡眠薬も飲みすぎればからだに悪いことはわかっています。

このように、私たちは1100パーセントからだによいことだけをして生きているわけではないのです。
こんなことをいうと誰かにおこられるかも知れませんが、80%のよいこと、
そしてちょっぴり20パーセントくらいの悪の楽しみを味わっているのではないでしょうか。

お酒はこの悪の楽しみの一つです。
いけないといわれると余計、私たちぱこの悪魔の世界に誘いこまれてしまいます。

しかしながら、私たちは意志を持った人間です。
誘われるままにお酒におぼれて肝臓を悪くし、からだをこわし気がついて後悔してもおそすぎたということにならないようにしたいものです。

お酒は人生の小道具です。
主導権は私たちが握っていればよろしい。

”わかっちゃいるけどやめられないのが酒だ。そんな理屈はどうでもよい。飲みたいだけ飲ませてくれ。おれは酒と心中できるなら本望だ。酒だけがおれの人生だ”という人には何も申し上げることはありません。

人生の楽しみは、その長さではなく中身だということも十分知っています。

しかし、お酒におぼれず、適量を飲み長生きを望む人は次の「飲酒3原則」を守ってください。

①1日2合以下。
②週に2日の休肝日。
③飲んだら食べる。

プロフィール


サイト管理人:藤田 正
某病院につとめる中年男性。
みんなで楽しくお酒をのむことが大好きです。

お酒にまつわるちょっと怖い話や、
安全なお酒の飲みかたを紹介させていただきますので、
ビールを片手に楽しく読んでいただけたらと思います。