肝硬変の人でも肝臓の働きがよく、バランスが保たれていれば仕事ができます。
長期入院していると、からだがなまっており、足の力も弱くなっているので、退院したら少しずつ歩くのになれるようにします。
まず最初は、午前と午後の2回、家の近くを10分ぐらい歩き、次の週は20分と少しずつ長くしていきます。
そして足がなれてきたら、今度は電車に乗って会社の近くまで行ってみてからだの調子をみます。
こうしてからだがなれてきて、血液検査でも肝臓の働きがOKだということになると、いよいよ出勤となります。
仕事もはじめのうちは半日勤務がよいようで、10時出社、3時退社が許されるなら理想的です。
しかし、それが会社の都合でむずかしいなら、次のことを守って仕事をするようにしてください。
①ご飯を食べたら一時間横になる
昼休みとはいえ、会社で横になるのは同僚の目もあり最初は抵抗感もあるでしょうが、上司にわけを話して長椅子にでも横になるようにすることです。
これは横になったほうが肝臓に行く血液量が多くなり、肝臓をいたわる意味でも大切なことです。
天気のよい日であれば、近くの公園にでも行って芝生の上に寝そべっていればなおよいでしょう。
食後一時間横になることを厳守するあまり、朝一時間いつもより早く起き、食後きっかり一時間横になってから出勤するという人もいましたが、朝は眠いでしょうから、30ぐらいでもかまいません。
②残業、出張はしない
これも原則ですが、なるべくこういうことは避けて、過労にならないようにしてください。
過労でないという目安は、朝起きたとき疲労感がなくからだがすっきりしていることです。
翌朝まで疲れが残るようなら、それは過労気味です。
もっとも、低血圧の人はもともと朝は起きにくく、午前中はボンヤリしていて、午後から夕方にかけて元気が出てくるという体質ですが、自分なりの過労の目安をつかんで無理をしないことです。